引越しと兄弟

引越しで忘れられないのが同じマンションのお隣の方を見送った時のことです。 お隣には小学生の男の子の兄弟と女の子の乳児を抱えたご夫婦がお住まいでした。 いつも我が家に来ては遊んで行ったりする人懐っこいお子さんでした。そのお子さんは、引越しが決まると一生懸命に荷物をまとめて、親の手伝いを頑張ってやっていました。 時折遊びに来てはおやつをせがんだりして「可愛いなぁ」と思いながら一緒に引越しの荷物の梱包を手伝ったりしました。

春、進級を待たずに引越しになったその子たち。 学校へも挨拶を済ませ、我が家へ引越しのお別れの挨拶にやってきました。 いつも懐っこい二人は口数も少なく、ちょっと淋しそうです。 駐車場まで降りるともうタクシーが来ていました。

みんなが乗り込むと上のお兄ちゃんがタクシーの窓を開けて身を乗り出し、大きな声で「お姉ちゃんーバイバイーバイバーイ!」と堰を切ったように叫びだしました。 すると弟も「バイバーイ!バイバーイ!」と続きます。 走り去る車のから、いつまでもいつまでも手を振り続ける兄弟。

そのうち泣きそうな叫び声で「バイバイ!」が聞こえた時…私は思わず涙がこぼれてしまいました。 その後、未だに年賀状のやりとりが続くその兄弟はもう大学生。 こんなに時間が経っても憶えていてくれつのは嬉しいものです。引越しの別れは辛いものですが、こうして繋がりが続くのも悪くないなと思います。
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